経費ログには、メンバーが専用アプリを開かずに、普段使っているLINEに領収書の写真を送るだけで経費登録が完結するLINE連携機能があります。この仕組みを紹介するたびによく聞かれるのが、「他の経費精算サービスにも同じような機能はないの?」という質問です。

実際のところどうなのか、知名度のある経費精算サービスを横断的に調べてみました。2026年7月時点の情報です。

「LINEで完結する」の定義

比較の前提をそろえるため、今回は次の条件をすべて満たすものを「LINEで完結する」と定義しました。

  • 領収書の撮影から経費の登録(申請)までが、そのやり取りの中で完了する
  • 別途ビジネスチャットツールの契約が不要で、普段使っている個人のLINEアカウントだけで完結する

この2条件で見ていくと、単に「LINEと連携できます」という謳い文句のサービスでも、実態はかなり違うことが分かりました。

調べた結果

サービスLINE対応状況備考
楽楽精算非対応専用アプリでの撮影・OCR読み取りが基本
バクラク経費精算非対応Slack連携はあるが、LINEの記載は見当たらない
ジョブカン経費精算非対応専用アプリでの申請が基本
TOKIUM経費精算非対応スマホアプリでの撮影・申請が基本(原本は郵送で預けるオプションサービスもあり)
マネーフォワード クラウド経費部分対応LINE Payでの立替精算(送金)に対応。申請・承認の通知はLINE/LINE WORKSともに非対応と明記
freee経費精算部分対応公式LINEアカウントに領収書を送ると電子帳簿保存用に保存される機能はあるが、経費の申請・承認ワークフローとは別物
経費BANK部分対応(拡張中)LINE WORKS(法人向けの別チャットツール)との連携オプション。2025年4月からフェーズ1(通知・承認確認)、同年9月からフェーズ2(LINE WORKS上での申請)を提供開始。申請側の本格対応は「フェーズ3・2026年1月以降予定」とされていたが、本稿執筆時点で正式なリリース発表は確認できず
楽経(Rakukei)対応LINE送信のみでレシート登録が完結し、AIが日付・金額・取引先・勘定科目を自動抽出。フリーランス・個人事業主向けの打ち出しで、上位プランには複数ユーザー管理や、CSV出力による会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)への取り込み対応もあり
経費ログ対応個人のLINEアカウントに領収書の写真を送るだけで申請から登録まで完結

多くのサービスは経費精算アプリそのものは充実していても、LINE対応は非対応か、あっても支払い(LINE Pay)や証憑の保存だけに限られていました。一方で、経費BANKと楽経(Rakukei)の2社は、LINEだけで完結する方向にすでに踏み込んでいることが分かりました。

経費BANKのLINE WORKS連携は近いが、条件が異なる

経費BANKは「申請」までLINE系のチャットで完結させようとしていますが、2点、経費ログとは前提が異なります。

一つは、連携先が個人のLINEではなく「LINE WORKS」という法人向けの別サービスである点です。LINE WORKSは無料プランもありますが、本格的に使うにはスタンダードプランで1ユーザーあたり月450円〜(年契約)の追加費用がかかります。経費BANK本体の料金(5ユーザーで月額1,500円〜)に、このLINE WORKSの費用が上乗せされる形になります。

もう一つは、機能が段階的に拡張されている途中だという点です。通知・承認の確認までは2025年4月から使えますが、申請側の機能拡張は2025年9月のフェーズ2以降に順次追加されている状況で、当初予定されていたフェーズ3(2026年1月以降)が実際にどこまで進んでいるかは、本稿執筆時点の公開情報からは確認できませんでした。

楽経(Rakukei)はLINEだけで完結する、より近い存在

調べていく中で読者の方から教えていただいたのが「楽経(Rakukei)」というサービスです。実際に確認したところ、レシートをLINEで送るだけで登録が完結し、AIが日付・金額・取引先・勘定科目まで自動で読み取ってくれる、LINEに特化したサービスでした。料金プランはFree(¥0・月100件まで)、Standard(¥900/月・月1,000件まで)、Business(¥1,800/月・件数無制限、複数ユーザー管理やCSV出力機能付き)の3段階です。

経費ログとの大きな違いは、狙っている業務の範囲にあります。楽経は「勘定科目の自動抽出」「月次集計」「CSV出力による会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)への取り込み」を前面に出しており、確認できた範囲では申請・承認・精算といったチーム内のワークフローに関する記載は見当たりませんでした。会計ソフトとの連携も直接つながる仕組みというより、スプレッドシート経由でのCSV出力・インポートが基本のようです。個人やフリーランスが日々のレシートを自動で記帳・集計するツールとしての性格が強く、複数メンバーの経費を管理者がまとめて確認・承認・精算する経費ログとは、目的地が少し異なるようです。

経費ログとの違い

経費ログのLINE連携は、追加のアカウントや別のチャットツールを用意する必要がありません。メンバーは今使っているLINEアプリの中で、経費ログの公式アカウントを友だち追加するだけで準備が完了します。

料金面では、チームプランは月額825円(税込)でユーザー数の制限がありません。経費BANK+LINE WORKSのようにユーザー数に応じて費用が積み上がっていく心配がなく、5人のチームでも50人のチームでも定額です。楽経のBusiness Plan(月1,800円〜)と比べても、複数人での利用を前提にした料金としては経費ログの方が抑えられています。

経費ログもCSV出力による会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生など)への取り込みには対応していますが、店名のゆれを自動で統一したり、修正した勘定科目をAIが学習していくといった記帳の自動化そのものは、楽経が強みとする領域で経費ログにはありません。経費ログはあくまで「誰が・いつ・いくら使ったか」を申請・承認・精算するチーム向けのワークフローに軸足を置いたサービスです。

まとめ

調べた範囲では、経費BANKと楽経(Rakukei)の2社が、LINEだけで領収書の送信から登録までを完結できるところまで踏み込んでいました。ただし経費BANKは別途LINE WORKSの契約が必要で、楽経は個人・フリーランスの記帳自動化に軸足を置いたサービスという印象です。

複数メンバーの経費を管理者がまとめて申請・承認・精算するチーム向けのワークフローを、追加のアカウントや専用アプリなしに、使い慣れたLINEだけで、しかも人数無制限の定額料金で提供している点は、引き続き経費ログの強みと言えそうです。

「メンバー全員に新しいアプリを覚えてもらうのが大変」というチームには、すでに毎日使っているLINEだけで完結する経費ログの仕組みを、一度試してみてください。